ニュースレターの効力とは?

ニュースレターを発行したことはあるだろうか?

残念ながら、クルマ屋さんからこのような配布物が送られてきた試しがない。

クルマの買い替え時期は長いので、新規客の獲得のことばかり考えていて、そんなことやってる

暇などない…といったところだろう…

確かに文章を考えて書き起こすことは面倒な作業だろうし、継続させることは骨の折れることに

間違いない。

しかし、その甲斐あってあなたに必ずいい結果がついてくる。

しかもクルマ屋さんでは、ほぼ誰もやっていないからこそ効果がでる。

忘れた頃に、たまにポンと送られてくるキャンペーンの案内が入ったダイレクトメールよりも

はるかに効果が持続する。

私が英国のスポーツカー「TVR」の輸入販売をやっていた頃は、「Clubman News」なんていう

ニュースレターを出していた。

まだ、インターネットのような便利なメディアは無かった時代だ。

だからみんなが知らない情報を発信することには大きな価値があった。

(情報が溢れる現在こそ、みんなの知らない情報はさらに価値が高い。)

主には海外の雑誌や、英国のファンクラブが発行していた会報誌を訳して掲載していた。

正直言って褒められるような出来ではなかったが、ある日遠方からわざわざ点検に来られた

お客さんが「いつも楽しみに待ってるんです…Newsが届くのを」といって、これまで発行した

私の小汚いニュースを綴じたファイルを見せてくれた。

正直、嬉しかった。

こんなニュースレターでも楽しみにしている人がいてくれるということが、大きなモチベーション

のアップにつながったのだ。

もっと喜ばれる、もっと役に立つ情報を載せていこうと色々考えた。

ニュースレターのアット驚く売上…

毎回やると嫌みになるが、たまに記事の内容に関連付けて売り込みをかけると、結構な反応が

とれた。

海外雑誌では色んなクルマを集めては、よく0 – 100km/h加速テスト大会みたいな特集がある。

その時は「TVR」のタイムが驚くほど良かったので、その内容を日本語にしたニュースレターと、

売り込みのセールス文を一緒に入れた「FAX申込用紙」を一緒に送ったら車両価格が600万円から

800万円のモデルが3台売れたのだ。

800通くらい送って3台だから、反応率は0.3%。

でも全部会社のコピー機を使ったモノクロコピーを10ページくらいにして定形封筒に入れて

投函していたので、発送費用を含めたニュースレターの総費用は、¥10万円ほど。

それで約2000万円の売り上げだから、粗利ベースの広告費用対効果はけっこうな数字になる。

このように、ニュースレターが大きな売上を作ることもある。

ニュースレター = 顧客維持

しかし、ニュースレターの本質は顧客維持だ。

それは既存客にとっても、見込み客にとっても同じだ。

へその緒のように、血の通うパイプのような役目を果たしてくれる。

どちらもお客さんにあなたや、あなたのお店を身近に感じてもらい、心に留めておいてもらう

ための施策だ。

ニュースレターに載せるべき3つのポイント

それでは、ニュースレターには何を書けばいいのだろうか?

基本的には何でも構わないのだが、次の3つのポイントを押さえておくといいだろう。

1.あなたやスタッフの人間性が伝わるもの。

日々の裏方的な細々とした業務内容というのは、お客さんにはなかなか見えないものだ。

その仕事で感じたことや、お客さんのことを大切に思う気持ちなどが伝わる内容があると、お客さん

が共感してくれたりする。

その人の実直さや優しさなどが伝わると、お客さんから励まされたり、ちょっとしたこちらのミス

に対しても寛容になってくれたりする。

「いつも頑張ってるね、お疲れさま。」なんて声をかけられることもあるだろう。

できれば、満面の笑みを写真で載せておくと、その笑ったイメージがそのスタッフのイメージとして

お客さんの中に定着するので効果的だ。

2.クルマ屋のプロとしてのアドバイス。

やはり、クルマ屋である以上、クルマに関するお客さんでは知りえないこと、お客さんの役に立つ情報

を提供しよう。

その昔、ポルシェジャパンになる前にポルシェの輸入を手がけていたミツワ自動車の広告には、必ず

「Y メカニック」という方のプロフェッショナルな言葉が載っていた。

ある意味、今のポルシェの日本市場におけるスポーツカーとしての確固たるステータスを築いたのは、

あの「Y メカニック」の言葉があったからと言っても過言ではない。

ニュースレターには、何かクルマに関するテクニカルな役立つ情報をいれておくと、そのレターの

価値観がグッと高くなる。

輸入車の専門店なら、デイリーメンテナンスのような項目を設けて、オーナー自らでも楽しんで

サンデーメカニックが出来るようなアドバイスをしてあげれば、お客さんに教育もできるし、

メカニックを先生として尊敬される関係の構築もできるだろう。

この関係が構築できると、販売面にも大きくメリットが生まれるようになる。

お客さんが敬意を表するメカニックから何かアクセサリーの販売や整備を勧められると、むしろ

ありがたがってそれを購入してくれる。

もちろん、サービスだけでなく、さらに節約できる保険の話や、最近で言えばモーターショーの

レポートや自動運転の今後、新しい法律がお客さんにどう影響する等々、ネタはいくらでもある。

何かをシリーズ化してもいいだろう。

3.お客さんの声

あなたが何か商品を買う時に、何を1番参考にするだろうか?

特にインターネットの場合、価格.comやAmazon、その他のサイトでも恐らく誰もが参考にして

いるのが、購入者のレビューのはずだ。

ついつい星が5つの満点になっている商品を優先的に買ってしまったりもする。

ユーザーの声、愛用者の評価というものは、悔しいがその道の選りすぐりの営業以上に説得力を持つ

トップセールスマンなのだ。

だからお客さんを、こうしたニュースレターに載せない手はない。

ご夫婦て、ご家族で、あるいは1人でも、弾けるような笑顔で幸せそうにクルマと一緒に写った

納車の写真は、どんな情熱的な言葉よりもインパクトがある。

お客さんが購入に至った経緯や、初めてそのクルマでドライブや旅行に行った時のことなどを

ニュースに載せれば、それを読んだお客さんが同じようなことを想像するようになる。

既存のお客さんなら「買って良かった。自分の選択は間違っていなかった。」と満足するし、

見込み客なら「自分にもこんな経験ができるようになるんだ」と近い未来を想像する。

お客さんの頭の中を、あなたや、あなたのお店や、あなたの勧めるクルマで埋め尽くすのだ。

占有率が高まれば高まるほど、購入へ近づく。

とにかく、ためらわずに既に購入してくれたお客さんに聞いてみよう。

お客さんは、よほどの事情がない限り、喜んであなたのリクエストに応えてくれてくれるだろう。

みんな、今自分が感じている幸せを人に話したくてしょうがない状態なのだから。

ニュースレターは、気づいた時にフッと出すのではなく、月刊誌のように少なくとも毎月1度は

発行した方がお客さんとの関係が維持できる。

先にも言ったように、目的はお客さんとの関係維持だ。

コンタクトしていない時期が長くなればなるほど、次にコニュニケーションする時の口実やタイミング

が掴みづらくなる。

そうならないためにも、ぜひニュースレターを発行しよう。

必ず、成果が上がると断言する。

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