自動車産業の黄昏…?

自動運転技術はクルマ業界の救世主となるのか、それとも破滅への罠か…

日本の経済を支えてきた「自動車産業」の黄昏…

「Google」がヒトやモノの移動の巨大なプラットフォームを掌握し、端末化したクルマを自動車

メーカーが提供する…

大量生産、大量販売時代の終焉がやってくる…

「おいおい、それじゃ自動車メーカーがやばいじゃない?」と思うかもしれませんが、実際に

すぐにそんなことにはなりません。

法律がどうなるかによっても大きく左右されます。

先日、東京モーターショーの会期中に開催された「SMC国際シンポジウム 自動運転は、クルマを、

くらしを、社会をどう変えていくのか」というカンファレンスに出席しました。

その中で、警察庁の高度道路交通政策担当の方が登壇されて話されていました。

それによると、”現行の「道路交通法」は、あくまでも人が運転することを前提にした法律である。

だから、人が運転に携わっていない、あるいは人が乗っていないクルマの走行は想定外である。

だから自動走行システムの構築ということは、道路交通の根幹に変革を迫る問題である”、と

語られていました。

自動運転のクルマが事故を起こした時の責任は誰がとるのか?

全自動、半自動、手動運転の混在する環境の中でどんなルールを作るのか、そういった課題を

いかにクリアしていくのか?

今、活発な議論が交わされているようです。

また、あくまでも人間が乗っている状態での運転支援としての自動運転なのか?

あるいは完全無人運転も容認されるのか?

それとも限定的な使用に制限されるのか?という問題によっても普及の仕方が変わって行くこと

でしょう。

もしかしたら「グーグルカー」のようなクルマは日本では走れない、何ていうことになる可能性も

あり得ます。

いずれにしてもまだ人類が経験していない未来環境のルール作りなので、時間がそれなりに必要に

なるはずです。

クルマの営業マンは何をしたらいい?

さて、自動運転を欲しがる人は、果たして日本ではどれほどいるのでしょうか?

クルマの営業マンは誰に向けて、何を発信すればいいのでしょう?

高齢化社会が加速する日本においては、いわゆる「移動困難者」と呼ばれる人たちにとって

「自動運転」は画期的な技術になることでしょう。

身体的にクルマの運転が困難な人や、先月起きた事故でクローズアップされた「認知症」の方も

安心して目的地に行くことができます。

それでは普段、通勤等でクルマを使用している人たちはどうでしょうか?

彼らにとって「自動運転」は、何をもたらしてくれるのでしょうか?

少なくとも通勤移動中の「運転」という操作の拘束から解放されるわけなので、寝ててもいいで

しょうし、読書をしてもいいですし、映画をみたり、英会話の練習や楽器の練習、資格取得の

セミナー受講や、会議資料の作成なんかもやれてしまいます。

仕事を終えて帰る時には、素敵な人とワインを飲みながら夜景を楽しんだり、大好きな音楽を

くつろぎながら聴くこともできるでしょう。

子どもや家族の送り迎えの間にも、いろんなことを片付けておくことも出来てしまいます。

とにかく移動時間の有効活用が可能になります。

会社勤めの人なら、1日あたり数十分から数時間の自由時間が手に入るのです。

それぞれのお客さんには、それぞれのライフスタイルがあり、また趣味や嗜好が違います。

営業マンはクルマの性能ウンヌンよりも、その人の「ライフスタイルがより充実する」という

点をアピールすることが重要になってきます。

そのためには、お客さんのことをよくリサーチすることが大切です。

年齢は、趣味は何か、週末はどう過ごしているのか、仕事は何をしているのか、家族は、

マンションか一戸建てか等々、好みや行動パターンが見えてくると、アプローチがしやすく

なります。

「自動運転」に最も理解のあるお客さんとは?

また、先の「SMC国際シンポジウム」で別のパネリストの方が興味深い話をされていました。

「自動運転」に対して興味ある/無いのアンケートを何千人単位で行ったところ、性別や地域とか

に関係なく、「何かしらの走行支援システムがすでに装着されたクルマに乗っている人、または

乗った経験のある人の多くがポジティブな反応を示した。」というのです。

今現在、発売中の新型車の多くには「自動ブレーキ」が装備されています。

日本自動車研究所の予測では、2016年には国内新車販売に占める自動ブレーキ搭載車の割合は

50%に達すると言われています。

その他にも、車両検知、レーンキーピング、先行車追随、誤発進抑制、居眠り防止、自動駐車など

の運転支援システムがあります。

これらの装備を持つクルマを購入されたお客様がまず最初の見込み客となるわけです。

既存客との「いい関係づくり」に心血を注ぐべし!

私が思うに、現在のクルマ業界でもっとも軽視されているのが、既存客のフォローとケアです。

定期点検や車検の案内の時以外に、ほとんど顧客と接触するアプローチがとられていません。

これは実にもったいないことです。

そのお客さんの顧客価値、生涯単価を高める施策が今後、絶対に重要になります。

そのお客さんに「クルマ」と言えば「あなた」を真っ先に思い起こさせるくらいの存在になる

行動が必要です。

この先、自動運転が一般的になり、クルマの走る、曲がる、止まるというハードウェアとしての

性能の比較があまり価値を持たなくなった時、営業マンの「あなた」の果たす役割はとても

重要になってきます。

クルマがコモディティ化され、白物家電と同じような商品になった時、あなたとお客さんとの

良好な信頼関係、繋がり方が他社との差別化を生む大きな要因となるでしょう。

あなたは、ただのクルマの販売員ではなく、トータルカーライフアドバイザーとしてのポジションを

築くことが求められてくるでしょう。

電話をしたり、訪問したり、バースデーカードやクリスマスカード、暑中見舞い、年賀状を送るのは

もちろん、ニュースレターでキャンペーン情報や自動運転の新しいインフォメーションを提供し

たり、お店で開くパーティーの招待状を出したり、と関係維持のやり方はいくらでもあります。

今後需要が高まるであろうカーシェアのサービスもクルマ屋さんで始めるべきだと思います。

ビジネスの目的とは「顧客との関係維持」です。

商品やサービスというのは、その顧客との関係を維持するための媒体にすぎません。

何もクルマの販売や整備やカスタムだけが顧客との関係を保全する方法ではないのです。

そして、これらの施策を「コスト」と思わずに「投資」と捉えるマインドが必要です。

いずれその投資は、あなたに利益をもたらしてくれるはずです。

とかく自動車関連のビジネスは、新規のお客さん獲得ばかりに目が行きがちです。

しかし日本の人口が減少に転じた今後、新規客の取り込みはますます大変になっていきます。

それであれば、既存客との接触頻度を増やし、来るべき「自動運転」の需要獲得を最大化する

ために、「あなた」のお客さんを大切にしましょう。

さあ、今すぐにでも行動し始めましょう!

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