練習してますか?電話の応対術…
「ハイ、Q!」
朝の朝礼でいつものロールプレイの練習が始まりました。
まずは電話のロールプレイからです。
「はい、ありがとうございます。〇〇〇でございます。」
「ダメダメ!トーンが低い。1オクターブ上げて、明るく!」
2)「↑はい、ありがとうございます。〇〇〇でございます。」
「顔がまだこわばってるなぁ。笑顔、笑顔!」
3)「↑(^^) はい、ありがとうございます。〇〇〇でございます。」
「そうそう、だいぶ良くなってきた」
ひと昔前を思えばメールでのやりとりが増えて、電話応対が少なくなったかもしれません。
でも営業マンにとって電話はとても役に立つコミュニケーションのメディアです。
誰でも経験があると思いますが、どこかに電話をかけたはいいものの、その応対が悪いとこちらも不快になりますよね。
電話をかける時って、その人のアタマの中はそのことでいっぱいになっている瞬間。
いちばんテンションが上がっている時です。
勇気を出してダイヤルして、期待を込めて電話した。
なのに電話に出た相手がやる気なさそうだったり、素人のような答えが返ってくるといっきに気持ちが冷めますよね。
おなたが思うほど、お客さんには届かない…
第一印象というのは、営業マンのみならず、お店そのものの評価に直結します。
だから電話のとりかたは、ロールプレイングで徹底的に練習しましょう。
頭で理解していても実際の声のトーンは他人からはまったくそうは聞こえていないと思ってください。
だから反復練習して体に染み込ませておかなければいけません。
ここが改善されるだけでお店の印象と成約率がアップします。
内線電話が使えるなら、それで練習してみてください。
そしてお互いに気づいたことを指摘しあって改善します。
声のハリやキレ、話すスピード、親切さや優しさに溢れているか、明るく元気な雰囲気か。
客商売をするお店ならスタッフ全員が習得しなければいけない技術です。
電話の横に鏡を置いて、常に自分の顔が笑顔になっているかチェックできるようにしておくと更に効果的です。
1本の電話からビジネスをつくれ!
もう一つ大切なのが、その1本の電話でいかに話を膨らませて信頼感が作れるか。
そして相手の行動をうながせるか。
多くの場合は、お客さんの知りたがっている質問に答えるだけで電話が終わってしまいます。
でも、これでは実にもったいない。
お客さんの発したコトバから話をつなげていけるようにしなくてはいけません。
ここをロールプレイングで練習するのです。
「××の〇〇といいます」
「〇〇さん?素敵な名前ですね。同じ名前の親しい知り合いがいるんですよ」とか、
「××にお住まいなんですか?いやー、いいところ住んでらっしゃいますね。
XXの△△ってすごくきれいですよね」
なんてコトバを返してあげると、お客さんも何かしらのポジティブな反応を返してくれたりします。
「え!?そうなの?同郷の人かなぁ?」とか、
「いやいや…でもあそこは実は春に行くと最高なんですよ」
なんてコトバがかえってきたらきたらしめたものです。
初対面の相手の場合は、何でもいいから共通点を見つけることができると、一気に心の距離が近くなります。
でも、それがとってつけたようなフレーズにならないように、自然な会話の流れの中で話せるように練習してみてください。
ファーストフード店のカウンターや、ガソリンスタンドなんかで、とってつけたようなコトバで商品を勧められることがありますよね?
やっぱり素直に「はい、おねがいします!」って言えないのは、会話のリズムが悪かったり、仕事のノルマとして会社から言わされている感が漂っている場合です。
テンポよく、お客さんの「YES!」を引き出せるナチュラルさが出てくるまで練習しましょう。
こちらが構えると、相手も構えてしまいます。
それからお客さんを未練がましく追っかけないという意識を忘れないように。
追えば追うほどお客さんは逃げていきますから。
電話の向こうのお客さんを立たせろ!
ここらあたりが出来るようになってくると、あなたとお客さんとの間にまだ細い糸のようなもろさはあるものの何かしらのつながりができてきます。
最終的には、「今週末、ぜひお店に遊びに来てくださいよ。お会いできることを楽しみに待ってますね。」
とお客さんの具体的な行動を起こすように誘ってみましょう。
「それじゃあ、一度お邪魔しようかな」と反応がとれたら、具体的な日にちと何時頃になりそうかの確認をしておきましょう。
「それじゃ、その時間はお店にいるようにしますので」と一言添えておけば、お客さんのスッポかしの確率も減ります。
お客さんとの話の最後は、どういう時であれ相手に行動してもらうコトバを投げかけるように心がけてください。
「是非、検討してみてください」という実際のアクション/行動につながらない「ありきたり」な投げかけはNGです。
“Think”(考えろ)ではなく、”Move”(動け)です。
自分への宿題を課せ!
また、投げかけると同時にあなた自身にも宿題を与えておくようにします。
「では、この件は一度お調べしておきますね。」
それは下取り額の概算でもいいし、クルマのスペックやオプション、保険の変更や何か手続き上のプロセスでもいいでしょう。
状況によってはクルマと関係ないがお客さんの知りたいことでもいい場合もあります。
こうしておけば、次にこちらから連絡がとれる口実ができますし、電話番号やメールアドレスなど手に入れやすくなります。
(あまりにあざといやり方は、イヤミになるので注意)
カタログや雑誌の切り抜き資料や、お店でお客さんの希望の車種の動画を撮ってDVDにして送ってあげてもいいでしょう。
お客さんの住所を聞きだせる可能性が高まります。
いずれにしても、電話によるお客さんからのファーストコンタクトを丁寧にあつかいましょう。
お客さんとの距離を縮め、信頼関係をつくり、そして連絡先を得る。
これができれば、ひとまずは合格でしょう。
ロールプレイングに容赦は無用。
2人でロールプレイングの練習をする時は、あえて意地悪な質問も投げかけてみましょう。
上手な切り返しができたら、その内容を営業のみんなで共有するようにします。
一番ダメなのが、お客さんのダメ出しにひたすら相づちをうつことです。
「ここがちょっと気に入らないんだよねー」
「そうですね〜」
「ここは(別ブランド)の方がいいんだよなぁ」
「そうですね〜」
これでは商談の主導権は握れません。
「はい、たしかにそういう見方も出来るかもしれませんね。でも〜〜」
ありがちなダメ出し意見をリストアップして、それに対する納得のいく切り返しトークを反復練習しましょう。
いわゆる「Yes, but」の構文です。
お客さんは、あなたの新しいものの見方や考え方にハッとして、あなたのコトバが腑に落ちた時にあなたをプロとしてみと認め始めます。
あなたに尊敬の念すら感じてもらえるかもしれません。
そして、これらは練習することで体得できるのです。
「えーと」「あのー」「え〜〜〜」「要するにー」「そのー」という会話の癖も指摘してあげましょう。
これって本人は気づいていないことがほとんどです。
この意味のない「ツナギ」のコトバも無いほうがあなたをスマートに見せます。
でも、みんなやりません。
何故って?
面倒くさいからです。
演技している自分を見せるのが恥ずかしいのです。
でもそこを乗り越えてください。
ロールプレイングの練習であなたを名優に仕立てて行ってください。
デキる営業マンほど、いい役者です。
究極的には、お客さんからの最初の電話で成約をいただくことです。
毎日、毎日、反復練習してあなたのショップが素晴らしい劇団のようになれれば、お客さんのハートをガッチリ掴むことができるでしょう。
さあ、今日もお稽古に精を出しましょう!