「もう聞きたくない!」繰り返される”あのことば”..

私が社会に出て最初に経験した営業は、小学生用の教材を飛び込みで訪問販売する仕事でした。

今のようにスマホはもちろんのこと携帯電話すら無い時代でしたから、出かける前の準備は入念でした。

会社から渡された名簿にもとずいて地図帳(当時はスーパーマップル)で住所を割り出し、そのページのコピーを何枚かとって1件1件場所をマーキングします。

夜になると家の表札も分かりづらく、街灯のわずかな灯りを頼りに地図をかざして場所の確認。外から見れば、かなり怪しいですよね。

さすがに職務質問をされるには至りませんでしたが、特に田舎の町を回っている時に人とすれ違うのがイヤでイヤでしかたありませんでした。

みんな「何やってんだコイツ?」みたいな顔して通り過ぎていきます。当たり前ですよね。

今なら不審者扱いされてもおかしくないでしょう。

そして、そのイヤな思いをした後に、さらに追い討ちをかけてイヤな思いをします。

お目当てのお宅にたどり着いて、ピンポ〜ンとインターホーンを押すと「はい」と奥さんの声。

「〜〜のカベヤと申しまして〜〜のご案内を…」と発した直後に帰ってくるあの冷たく突き放すようなフレーズ、

あー、ウチ要りませんから」ブチッ と…。

そして会社へ報告、「すみません、相手にしてくれませんでした…」、

上司、「何やってんだー!、はやく次のところ行って決めてこい!!」、

「 …. 」。

下手な鉄砲、数撃っても当たらない…

よく営業の神様みたいな方の本を読むと、「営業は断られてからが勝負だ」とか「断り続けられて鍛えろ」みたいないわゆる「根性論」のようなことが多く書いてあります。

でも正直言って普通の感性の持ち主であれば、誰でも足がすくみます。

次のインターホンを押すことが怖くなります。

人から嫌がられることを、分かってできる人というのは、かなり特殊な能力を持ち合わせている人だと思います。

残念ながら私は、決して慣れるということはありませんでした。

「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」とは言います。

でも名簿の中から「あ〜、ちょうどよかったわ!」という人を探し出し、一瞬で信頼を勝ちとり、そして成約していただくというのは、かなり高度なコミュニケーション能力と営業力を必要とします。

つまり「下手な鉄砲」では当たらないのです。

もちろん、自分の営業力を磨く努力をしなけらばいけませんが…

欲しいタイミングを推し量れ!

ここで私が感じたことは、人は「望まないタイミングで、必要ないものを、売り込まれる」ことを物凄く嫌がるということです。

この状態はいかなる場合においてもお客さんとの対立構造を生み、後味の悪い結果に終わることがほとんどです。

わたしが逆にお客さんの立場だったとしても「二度と来るな!」と思うでしょう。

でも当時は、会社からの指令に従って、言われるようにやることだけで精一杯だったのです。

とにかく大切なことは、「お客さんのことを良く知る」ということです。

前回、前々回と「見込み客ノート」やお客さんの「行動パターン」の話をしました。

「そのお客さんは何が欲しくて、そのタイミングはいつなのか」ということを、いろいろなデータから読み解くことで、そのお客さんに適した提案がタイムリーに出来る確率が高まるります。

すると「望まないタイミングで、必要のないモノを売りつけてくる、厄介者」から、「必要なときに、失敗しないようにアドバイスをしてくれる、歓迎すべき人」に180度立場が変わるのです。

「イヤな奴」から「頼りになる人」に激変します。

クルマを買うタイミングのよくある9つの理由

もちろん、その人のことが詳しくわかったので飛び込み営業をしろ、と言ってるわけではありませんよ。

初めて会う人にそんな話をしたら「なんでそんなことまで知ってるの?」と下手したらストーカーと思われて通報されるかもしれません。

あくまでも、あなたから一度でも買い物をしてくれたお客さんの情報です。

クルマ屋さんであれば、お客さんの「車検の時期」や「走行距離」は確実に分かると思いますが、
・子供が就職 → 通勤用に車が必要
・子供が進学 → 送り迎えに車が必要
・親が病気 → 送り迎えに車が必要/乗り降りしやすい車に替えたい
・仕事が転勤 → この際車も変えたい(要らなくなったという人もいますが、逆に必要になるという人も多い)
・引越し → 環境が変わるので車を整理
・結婚 → 新生活のスタートに合わせて車もリニューアル
・退職 → 人生の節目に車もリニューアル(会社に在籍しているうちにローンを組む)
・株をやっている → 株価が上がって余裕ができた
・貯金が満期になる → 資金に余裕ができた

などなど、それらの情報があれば、車の購入、買い替えの時期の仮説を立て、その客さんに適したタイムリーな提案ができる確率が高まります。

もちろんそのお客さんがあなたのことを信頼していなければ、こんな情報は得られないですが…

いずれにしても、お客さんのコトを知れば知るほど、その情報が正確であればあるほど、あなたは「厄介者」から「歓迎すべき頼れる相談者」になれるのです。

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